スタンダップコメディの進化

数十年前のコメディといえば、高額の資金を注ぎ込んだ映画や豪華な劇場での公演を思わせるものでした。出演俳優たちは何百万ドルも稼ぐベテランであるのが普通で、街頭でパフォーマンスするようなコメディアンたちを含めた一般の人々はそれを観る側でした。

米国で初めてスタンダップコメディアンが登場したのは19世紀後半でしたが、彼らのパフォーマンスは今の私たちが考えるコメディアンのそれとは大きく異なっていました。彼らは主に貧しい人々の間で人気を集め、数々の不適切な、あるいは人種差別的なジョークを飛ばしていました。現代的な感覚では、最初のコメディアンと言えるのはボブ・ホープで、彼が登場したのは第二次世界大戦中でした。

それからしばらくして、進歩と改革の時代である70年代が始まり、突如として人々は後のことを気にせず公に好きなジョークを言えるようになりました。この時期の有名なコメディアンには、レニー・ブルース、アラン・キング、ダニー・トーマスなどがいます。そこからまた時を経て、今の私たちがインターナショナルコメディと呼ぶシーンに何人もの新人が登場しました。

80年代と90年代の代表的な俳優には、ビル・ヒックス、ロビン・ウィリアムズ、エディー・マーフィー、ジェリー・サインフェルドらがいます。コメディスペシャルと呼ばれるものが初めて登場したのもこの時期でした。そして現在では、単なるプロの俳優ではない非常に優れた才能を持つコメディアンたちが舞台を席巻しています。彼らは様々なバックグラウンドを持ち、スタイル、公の場でのふるまい方、ファン層も大きく異なります。この10年の特に優れたスタンダップコメディアンには、ティグ・ノタロ、クリステン・ウィグ、ビル・ヘイダー、ジョン・オリバー、マリア・バンフォード、ローリー・スコーヴェルらがいます。